目次

麦わら帽子の渡り鳥 / 第4

麦わら帽子の渡り鳥④

麦わら帽子をかぶった鳥は、すこしだけ嬉しそうです。

「どうでしょう」

「とっても似合ってるよ」

「ありがとう、嬉しいわ」

「まだここにいるのかい?」

「うん。つかれて帰れないから」

「そうなのかい」

鳥は麦わら帽子の端っこを少し下げてしまいます。

そんな鳥をみて、旅人は手をポンと叩いて言いました。

「それじゃあ夏を巡ってみようよ」

「夏を?」

「うん。せっかく来たんだ。一緒に楽しもうよ」

とっても暑い夏の、入道雲の下。

こうしてふたりは出会いました。